理事長挨拶

一般社団法人 福岡青年会議所
2020年度理事長所信


理事長 出田 正城

 JC には様々な青年経済人が一同に集い、創業者や後継者、政治家や士業、サラリーマン、女性メンバー等、それぞれの時間軸の環境の中で、仕事や自分の時間を削りJCに時間を注いでいます。
 何のためにJCをやるのか。世間から見て、まちづくり、ひとづくりの団体というイメージは今、どうでしょうか。JCのことを知っている人がどれだけいるのでしょうか。飲み会で仲間と盛り上がり友情を育むことだけが我々の活動の姿ではありません。飲み会以外に何をやっている団体なのか。近年、会員拡大をしている中でも、そういった話をよく聞きます。しかし、この団体の根底には、67年間の運動の歴史が確かなものであるからこそ、何かやってくれるかもしれないと、まちに期待されているのも事実です。
 私自身、入会するまではJCの存在自体を知りませんでした。しかし今では、大切な時間を削ってきた分、JCには人生が大きく変わる出会いがあり、誰かのために手弁当で汗をかくことで、自分自身が成長を遂げることができる誇り高き団体であると断言できます。まずはこの先、JCを世間のひとに知られていくことで、JC運動を理解されていくこと。そして『ひとりになってもJC運動を続けていく。』そんなJAYCEEが、同じ志を持つヒトを、一人でも多く創っていくことが、このまち、そして日本の「希望」となり、明るい豊かな社会の実現への一歩になると確信しています。
 2020年度は、そんなヒトが育つべく組織として根ざす運動を展開して参ります。

FUKUOKAと福岡JC

 これまで福岡市は他の都市と比べても数少ない、民間主導・民間投資が行政を後押しした、官民連携事業を中心とした常識破りな、まちづくりを展開してきた中で、福岡JCもFUKUOKAのために、まちづくり運動を起こしてきました。
 1965年には政令指定都市をめざしていた北九州市に続き工業都市を目指す福岡市のマスタープランに対して、福岡JCが10周年を迎えた年には「福岡に寄せる期待と提言」という、第三次産業に力を入れて情報集約都市、都市型の都市を目指していくべきであると福岡市に提言を続けました。結果、福岡市が福岡JCの提言を全面的に取り入れてマスタープランを改定し「人間都市(ヒューマンシティ)宣言」を実施した歴史があります。その時、蒔いた種が確実に成長し、現在では人口増加率全国1位の発展都市とも呼ばれています。
 また、その中でも増加している人口区分は20代の若者が多く、2010年からは36歳と若く行動型の市長が誕生し、福岡をアジアのリーダー都市へというビジョンのもと、従来の行政の枠を超えた先進的な政策を展開し、10年経った今でも人口は増え続け、これからも経済ともに福岡のまちは発展し続けると思われます。そんな時代の動きの中で、福岡JCもホークス誘致、アジア太平洋こども会議・イン福岡、中洲JAZZ等の、福岡JCの歴史上で代表的な事業を生み出してきた実績があります。また今後も、さらに官・民・JCが連携をとって、まちの一人ひとりが希望に溢れたFUKUOKAをともに目指していけるような大きな巻き込みを図っていくことが福岡JCの使命なのだと考えます。
『昭和~平成、令和の新時代まで、まちづくりに参画してきた実績は福岡JC が志高き青年の集いだからこそ、まちを動かすことのできる歴史ある誇り高き団体である証なのです。』

転換期

 近年では発展都市としてさらに先進的な展開が進んでいく中で、FUKUOKAには元気の象徴ともいえるJC以外の青年の親睦団体や慈善団体が数多く存在し、様々なイベントがまちを盛り上げくれています。FUKUOKAのために動く団体が、「唯一福岡JCしかなかった時代から福岡JCもある時代」になった今だからこそ、この転換期を福岡JCの相対的影響力の低下と真摯に受け止めつつも、運動の在り方や組織の在り方を見つめなおし、福岡JCがさらなるステージへと飛翔できるチャンスと受け止めましょう。
 この先、本来あるべき姿である黒子的立場として、他団体や行政・民間の架け橋となっていくことが、今後まちに対して、我々のスタイル(存在意義)を確立していくことになるのではないでしょうか。その立場になることで、若者たちが、自ら福岡JCの門を叩くような団体になっていかなければならないのです。そして、福岡JCが必要とされる団体であり続ける以上、まずは70周年、さらに100周年を迎えた時に、我々がやってきたことは間違いではなかったと、感涙にむせぶ時がくることを願います。
『誰かのために、まちのために、率先して汗をかき、その喜びを積み重ねていった時に、偶然に起こるような奇跡ではなく、本当の「喜積(きせき)」が起きるのだと信じます。』

第33回国際アカデミー福岡開催

 本年は、2004年JCI世界会議福岡大会を最後に、JCI公式諸会議の中で唯一開催していなかったJC会員の国際親善を奨励とした事業である国際アカデミーの開催地が福岡となります。このことは、2019年度G20YEAに続く、LOMとまちへの絶好の国際の機会となり、また、開催地副主管として福岡ブロック協議会第3エリア(朝倉JC、糸島JC、つくしJC)を中心とした福岡ブロック協議会や福岡県をも巻き込みながらの福岡市だけでない波及効果をもたらす福岡JCの使命を秘めた事業であると感じています。  この機会に挑戦するということは、ここ16年間の中で、2004年JCI世界会議福岡大会、九州地区大会2009in福岡にて先人たちが成しえてきたもの、あの時、福岡JCが身を粉にして大会をやらなければならなかった核心と想いに触れることができるのではないかと思います。

福岡JCの設営力と経験で福岡JCにしかできない国際アカデミーを!

 国際アカデミー実行委員長 安永 拓一郎君を先頭に、国際アカデミー実行委員会を、あえて9委員会で組織構成し、福岡JC が担当する12のプログラムの一つひとつのプログラムに全力で取り組むことで、33年続く国際アカデミーの各プログラムの可能性を高めるとともに、LOMとまちにJCIと国際の機会を十二分に拡げて参ります。そして、対内9委員会、福岡ブロック協議会を巻き込んでの、地域文化、ヒト・モノ・カネの資源と先人達の実績を最大限に活かした福岡JC の誇りでもある『ホスピタリティの精神』をもってデリゲイツの皆様に最大限のOMOTENASHIでFUKUOKAのファンをつくります。

メンバーにとってJCの底知れぬ機会を福岡で経験できるチャンス!

 国際アカデミーとは、世界のNOM次年度会頭候補者をはじめとする約80名と日本JCメンバーが集結し、祖国の地域の幸せのため、リーダーとなるべく、海外デリゲイツが福岡のまちに、ホームステイを含む10日間の滞在し、海外デリゲイツと日本JC中から集った国内デリゲイツが5日間、寝食をともにしながらのリーダー研修プログラムです。
 私もデリゲイツとして、そして設営側としても国際アカデミーを経験させていただきました。この事業は、デリゲイツ、設営側、そしてまちのヒトの巻き込みに関しても、JCでしか経験できえない国際の相互理解を超越した貴重な機会です。
 JC を世界でみると、113NOMs、4679LOMs,155,000人以上の壮大なネットワークがあります。その世界各国のJC が実施している貧困と人類の苦難を救う運動や、JCIのトレーニングの機会は、JCに所属する以上は触れておくべきものです。メンバーにはJCIに所属しているからこその成長の可能性を少しでも感じていただき、JCIの世界広大なネットワークと、JCIが実施する運動から湧出する感動を味わってもらいたいと願います。
『青年期という若者の今だからこそ、国際という領域に踏み入れてみましょう。』

日本へ

 2020年度は8年ぶりに、日本JCの委員長として、花田 公一君を輩出しました。
 近年、減少傾向にあった福岡JCから日本JCへの出向者が増加し、VC(日本JC副委員長)やスタッフの担いを受け、日本中に仲間をつくり、外から福岡JCをみる経験ができているメンバーがいます。また、出向経験者・国際アカデミーデリゲイツ経験者のスタッフ・理事・執行部が現役メンバーとして在籍しているなかで、国際アカデミーの開催、そして、日本JCの委員長の輩出を機にそれを支える組織体制をつくっていくことは、近年、日本JC全体から見て閉鎖的なLOMだと思われ、LOMでの機会しか知らない福岡JCメンバーにとっても、新たな成長の機会の選択肢、まだ見ぬメンバーのための新たな会員拡大の入口といった福岡JCの組織向上の兆しになると考えます。
 令和という新たな時代を迎えたことで、再び、福岡JCの先人たちも辿った機会に一人ひとりが、すべての立場と垣根を取り払い、LOM一体となって、ひとりのメンバーを支援し、FUKUOKA のリーダーを日本へと輩出していける強いLOM にしていきましょう。
 ALL福岡JCで日本の機会に挑戦するリーダーを後押ししていくこと。引っ張り上げていく人事の決定をしていくことで、組織の縦のラインから生み出す新たなメンバーの開拓と成長の機会、そして組織の発展に繋がると確信しています。そして近い将来、福岡JCから日本を動かすことのできるリーダーの誕生を願います。
『福岡から日本を変えて行く。そんな大口を叩いていいのは我ら若者であり福岡JCです。』

FUKUOKAのための挑戦

 福岡市は名実ともに国際都市となり、2019 年度はラグビーワールドカップ日本大会の試合開催地に選定され、2020 年東京オリンピックにおける事前キャンプ地にも選定されており、2021 年には世界水泳選手権が福岡で開催されるなど、インバウンドに対する受入れの対応力の創造が求められています。
 福岡JC はアテンドや会議、懇親会の準備・進行といった設営力、「おもてなし」をマンパワーで実施することができる団体です。そんな計画から実行、そして対応力を兼ね備えた、社会の中で縛りのない団体だからこそ、昨年2019 年度に「IR は九州とともに」と、まちに提言したような想いや閃きを行動に移すことができるのです。これからも、JC こそが国際や国のビジネスに伴う経済成長を加速するための運動を起こし続けていくべきだと考えます。
 また、昨年の2019年にはG20福岡財務大臣・中央銀行総裁会議の開催前に、日本JC主管、福岡JC が開催地LOM としてG20YEA が開催されました。その折においては、日本JC と福岡JC が主催・主管の関係を超えた共催ともいえる事業となりました。福岡JC が今後、まちとともに国際に伴うビジネスを通じて福岡県、九州全体の利益、そして、国益をも繋げていく提案と行動を、全国の同志と連携して、日本のために率先して実行していくことが、福岡JC の経験を糧とした挑戦とすることができれば、そこに結果が伴わなかったとしても、まちと福岡JC の未来につなぐ財産になることは間違いありません。
『JC だからこそ失敗を恐れずに、まちの、国の、先駆けとなる事業に挑戦しよう。』

FUKUOKA広域地域の開発運動

 福岡が発展していく中で、広域的に市内近郊エリア「町」にも視野に入れてみてはどうでしょうか。すでに、ひとが集っているところで事業をすることだけが我々の成すべきことだけではありません。今後は、広い視野を持ち、我々の活動エリア内でも着手できていなかった地域でも、地域団体と連携をとり、コンパクトに着実にJC のミッションとビジョンを遂行していくべきであると考えます。
 前述しましたように、まちのために動く団体が数多く存在しています。しかし団体は違えども「まちをよくする、ひとを育てる」という目的は共通しています。同じ方向を見ているひとたちとともに地域を想い、ひとが集えていない場所にもスポットを当て、地域と連携した運動を展開していくことが必要だと考えます。そして、その地域で能動的に行動することができるヒトをつくっていきましょう。我々の事業を通じて、ひとの意識が変わる時こそ、JCから学ぶ神髄である『利他の精神』を感じることができる感動の瞬間です。その感動は、ひとりの人生を、より良い方向に変えることとなります。
『地域の感謝の声がメンバー一人ひとりの動く原動力となり、その運動は、いつしか地域創生の希望になると確信します。』

未来環境づくり

 未来は、子どもたちが創っていきます。しかし子どもたちを取り巻く環境はどうでしょうか。厚生労働省が出す次世代育成支援推奨法の平成17年から10年の時限立法からみると、大人がつくった今のストレス社会の今の中で教育を受け大人になることを目前にした未来を担う若者が主体的に将来を考える機会がないと言われています。
 「自分が参加しても何も変わらない」「知識・能力に自信がない」といった理由で自己肯定感が低く、そのまま大人となり働く世代となっても、意欲的に取り組む意識の低さから、仕事が続かず、また求職活動そのものを行わない若者が内閣府の調査によると約80 万人と多く存在しています。それは、世界からみても、目先の暗記やテストの点数を取るための教育偏重になっており、大人になれば独立していかなければならない子どもたちの教育環境が希薄化してしまっているのではないかと感じます。そのような中、2020 年度には知識型のセンター試験が廃止され、いかに生きる力を身に着けていくのか、という教育が注目されています。働く理由は人それぞれです。しかし、子を持つ・持たない関係なく国、地域の大人たちが、未来を創る子どもたちの10年後・20年後を見据えた教育をしていくことが大切なことなのではないでしょうか。
 そして、福岡JC が、メンバーの成長の機会だけでなく、まちの人財発掘・人財育成機関としての位置づけで、まちのヒトづくり事業を実施していくことで、まちの大人たちが、時代の変化も踏まえて教育環境を変えていくことが必要です。それが、子どもたちの未来の『希望』になっていくことと確信します。

ヒトづくり

 これからの時代はJC 運動から起こる、ひとの意識変革から起こる波及効果にも重点をおくべきです。それは、JC がもつ人間的豊かな社会を創るべく社会開発(CD)の機会を、メンバーだけではなく市民の皆様にも与えていくことが必要だと考えます。つまり「参加型」の事業から「ヒトづくりのターゲット」を絞って機会を与え続ける運動をしていくことが大切です。そのために、まずは我々JC メンバーが、身近な家族・社員、まちの人を巻き込んでいくことが必要であり、そのことが官・民・JC 一体の連携事業となっていきます。このことこそが、持続可能な継続事業として価値あるものになると考えます。我々JAYCEE のみが事業のすべてを実施するのではなく、未来のヒトたちをつくる教育機関や民間・行政をさらに巻き込み、事業構築していくことを今後の福岡JC の成すべき目標としていきましょう。
 JC運動のVISION は、我々と同じ志をもったアクティブな市民をつくっていくことであると考えます。そして、VISION 達成のためのMISSION こそJC メンバーのみならず未来を創る若者たちに機会を与えることができる指針であると考えます。2019 年度から第一期生として始まったヤングJAYCEE・キッズJAYCEE 事業は、子どもたちや若者たちに多くの機会を与え、アクティブシチズンを創り出すことができるJCI MISSION・JCI VISIONに、最も根ざした事業へと成長していくと確信しています。
「FUKUOKA のために率先して行動する市民」を発掘するべく「まちのヒトづくり事業」を、このLOM の、このまちの、ヒトづくりの『希望』としていきましょう。

日本人として人として

 日本人は一つの宗教、一つの思想にとらわれることなく、古い価値観と新しい価値観を取捨選択し融合したものを日本固有の「日本のこころ」として、日本人文化を築き上げてきました。しかし、戦後日本の価値観は自虐的歴史観が日本人を束縛し、国民の国家や社会への帰属心は薄れてきました。戦前までの世界に誇るべき歴史や伝統、文化を持ち合わせた日本国。そこに暮らす気品と気高さに溢れた日本人の姿は、世界からも日本の国民性は評価を得ていました。しかし、戦後これまでになかったような国民・社会・外交の問題が噴出し、かつ問題の分野は多岐にわたり、個別の問題は悪化の一途を辿りました。それぞれの分野に問題の原因があり、またそれら原因の根本には、教育の問題があるのではないでしょうか。
 国家ビジョンなき家庭教育は、個人が社会からの孤立感・疎外感を高め暴走を始めました。親が子を殺す。子が親を殺す等、家族さえもが気心知れないような暗い環境をつくってしまっている日本社会では、人間として、日本人としての謙虚さ・誇りが薄れてきてしまっている現状があるのではないでしょうか。本来、人の死に思いやりと生前への感謝の心で人生を過ごしていくのが日本人の美徳です。そんな義理・人情を大事にした死生観をもった日本人は「謙虚」なヒトであると言えます。
 世界から見た、世界が思う日本人の姿は、どういった日本人なのだろうか。時代のどこかで忘れてきたものがあるのではないだろうか。豊かさがゆえに失われていることがあるのではないだろうか。そんな日本人の美徳の発信と復興は、近来、国際化の進む中で、日本人の本来あるべき姿の回帰運動になっていくのではないでしょうか。それもまた、「ひとづくり、まちづくり」のJC運動の基盤になっていくと確信します。

歩むこと

 福岡JC には時代が移り変わっても、残していかなければならない伝統と時代に沿って革新していく伝統があります。昨年2019 年度には、1979 年に正式に研修委員会が管理・指導を始めてから40 年間続いた伝統の新入会事業「ところてん」を、奉仕・修練・友情を通じた同期の絆を育む場を変えることなく「にゅーめん」へと革新を遂げました。この新しい機会はJC が成すべき事業のやるべきことの根底を精査することにもなり、やるべき事業構築を学ぶことができると確信しています。
 また、「仕事」・「家庭」・「JC」とよく言われますが、これらすべてのことを、バランスを取りながら活動するだけでも修練といえます。また、福岡JC 全メンバーが「にゅーめん」と入会一周年のお祝い事業に触れることで、対象者をはじめ参加する側のメンバーも、JC活動ができていることが当たり前ではないということを再確認していただきたいと思います。そして、自分自身の原点を素直に見つめ直し、会社・家族に改めて感謝の気持ちが持てるような時間とし、感謝の気持ちを忘れないJC 生活を歩んでほしいと願います。

「縁をつなぐ」先人達がつくってきた縁こそJCの財産です

 道に迷った時、パソコンを見つめ頭を悩ませるのではなく、わざわざ足を運びヒアリングに出向くことや、杯を組み交わし膝と膝を付け合わせて語らうことが事業成功への道標となり、足を運んだことで生涯の恩師ができたことを、私も経験させていただきました。
 JCI のバッチと名刺を使って、躊躇することなく、ヒトに会いに行く行動は、よりよい事業となる可能性と新たな出会いからネットワークの構築となります。また、先人たちのネットワークのご縁を紐解いて、さらなるメンバーの機会にしていくことがJCで縁をもらってきたJC メンバーの使命ではないでしょうか。

志同じくする仲間と先輩の存在

 これまで永く友情を紡いできた姉妹JC(釜山JC・下関JC・香港城市JC・サウスサイゴンJC)と友好LOM(北九州JC・広島JC)との交流を、この先、単なる杯を交わすだけの交流から、それぞれの地域のために、国のために、共に汗をかく交流事業へと昇華し画期的な巻き込みを起こしていくことを目標にしていくことが、姉妹JCや友好JCとの交流の意味になっていくのではないでしょうか。そしてこのことが、日本JC、JCIの組織に加盟なしには成しえない垣根を超えた、JCでしかできない対外事業のスタイル構築のきっかけとなると願います。
 また、福岡JCは1500人を超える特別会員と現役メンバーの青春と成長の機会の宝庫です。先輩方の経験や残してきたものを遠慮することなく活用させていただくことも、これから福岡JC が成しえていく事業の確立につながっていくと考えます。
 本年2020 年度は、国際アカデミーの開催や日本JC委員長の輩出によって、降りかかるミッションから先人たちのネットワークと実績の足跡を感じることがあるでしょう。そしてその機会から、過去から伝わる福岡JC の存在意義と、今の福岡JCへの期待を感じることでまた、福岡JCの威厳を感じることができるでしょう。

機会と向き合う

 まずは、とにかく参加すること。私も、事業構築に関わることができずに、ただただ、参加することだけからはじめ、濃厚な出会いと機会から、今、ここに立たせていただいています。すべてのメンバーと上手くいくとは言えませんが、そこから生まれる機会も忘れてはいけません。参加していけば必ず他にはない成長の機会となっていくのがJCです。成長の機会を開拓し、その機会を自分の物差しで挑戦する。または別の成長の道を選択する時が多くあることでしょう。
 JCの機会の一つに、立場シミュレーションがあるからこそ「長」を目指してみませんか?目指すことは、誰にでもできます。「自分だったらこうする!」というイメージをもって手を挙げてみる。挑戦してみる。目指すプロセスが成長になると私は確信しています。一つひとつの役目と責任に失敗を恐れずに挑戦することで、JCは社会で生きていくための実践型トレーニングともなるのです。40歳で卒業という尊さがあるからこそ機会のその先に、その度に、自分自身の成長と永遠の友ができる機会と必ずなるのです。
 『生涯JAYCEE』として、『利他の精神』と『個と公の調和』を備えた真の社会企業家としての卒業後の自分自身の成長を目指していくことこそが、JCに在籍し活動している大儀であると強く思います。
『JCの機会に、できるかぎり前向きに捉えて臨むことで、チャンスを生かしていくこと。』

最後に

 現実での自分の立場と時間を忘れてはいけません。現実の自分があってのJAYCEEです。我々がJCで闘っている間に、家族も会社も一緒に闘っています。だからこそ、大事な時間を割いた分以上に自分自身が成長し、多くの仲間をつくることで、家族や会社に応援されるような環境づくりに努力をしていきましょう。それが時間づくりのトレーニングとなり、自分の人生の土台づくりとなるはずです。
「JCの機会は平等」である。私も事実7 年間、挑戦する度に、機会を与えられ続けてきたことで強くそう信じます。されど1年。たった1年。と思って、自分自身の器を広げる挑戦をしよう。

 伝統を重んじつつも歴史に捉われることなくJC しか成せない事業を自由に描く。そして、『メンバーづくりと、ヒトづくりから、まちを動かす。』唯一無二の団体であることを地域に根ざしていく。そして福岡JC70 周年に開花するべく「希望」を根ざしていきましょう。